


真冬の日本、厳しい寒さに目いっぱい厚着したり、暖房フル運転で凌いだり。
逆に真夏は年々気温が上がり、ついには「酷暑日=40度越え」などといううれしくない言葉が生まれた昨今の日本です。
世界のどこかに、一年中20度ちょっとで過ごしやすい地域はないの!? そんなとこ、あるわけないよね!ハハハ・・・
実はあるんですね~。
今回はマレーシアの「キャメロンハイランド」にご案内しましょう。
キャメロンハイランドは標高約1,500mに位置し、年間平均気温が15〜25℃と理想的。赤道のすぐ近くのマレーシアなのに、空気もカラッとしてウソみたいに過ごしやすい避暑地。酷暑とか蒸し暑さから逃れたい人に大人気です。
この別世界は英国統治時代の国土調査官、ウィリアム・キャメロンによって1885年によって開発されたことで、彼の名前を拝借したわけです。日本人の長期滞在者が急増中。

信じられないかもしれませんが、ここのあるホテルには「暖炉」がありましたよ。とても快適でしたね。
この近くには別なホテルがあり、そこでは映画になりそうな事件があって、のちに松本清張の小説になりました。そのことも紹介します。


🍃 キャメロンハイランドの魅力~高原の涼しい気候
キャメロンハイランドの魅力をご紹介します!
マレーシアの高原リゾート地、キャメロンハイランドは、涼しい気候と美しい自然が魅力の観光地です。先ほど触れましたがこの土地は年間を通じて快適な気温が続くため、避暑地として多くの人々に愛されています。

🪴 アクセスの良さはウリです。
クアラルンプールから車や長距離バスで約3〜4時間。日帰りも可能ですが、のんびり1〜2泊するのがおすすめ。
宿泊施設も高級リゾートからバジェットホテルまで揃っています。
🪴 ジャングルの中にある蜂蜜農園や蝶の農場も観光スポットとして人気。ミツバチの生態観察や、色とりどりの蝶が飛び交うドームは子どもから大人まで楽しめます。
🪴 マレーシア最大の紅茶産地で、BOHティー農園が有名。
丘陵一面に広がるエメラルドグリーンの茶畑は圧巻の景観。農園見学や、採れたての新鮮なティーを試飲できます。
🪴そのほかのアクティビティとして、神秘的な苔に覆われた原生林でのトレッキングが体験できます。
🪴「モッシーフォレスト」と呼ばれる霧がかかった幻想的な森は、独特の生態系が保たれておりネイチャーファン好きに人気です。

🪴ブリンチャン・ナイトマーケット(水曜・週末)では地元の野菜、果物、屋台グルメが楽しめます。コーンや地場野菜など、高原ならではの食材が手頃な値段で揃います。
🪴いちご狩りが楽しめます。 高原の気候を活かしたいちご農園が多数点在。自分で摘み取るU-Pick体験ができ、新鮮なイチゴをその場で味わえます。
ファームによってはいちごジャムやスムージーも販売。
訪問のベストシーズンは、比較的乾季にあたる3〜9月頃。雨季でも霧のかかった幻想的な風景が楽しめますが、道路が滑りやすくなる点には注意が必要です。
キャメロンハイランドは、忙しい日常を忘れてリフレッシュできる場所です。一度は行ってみたい旅行先に加えてみてはいかがでしょうか?

ここにはたくさんホテルがあるのよ。
こちらは「Eリゾート(E Resort)」です。イギリスのチューダー様式をモチーフにした特徴的な外観のコテージで、ブリンチャン(Brinchang)という地域にあり、とても人気があります。
周辺にはストロベリーファームなどの観光スポットがあります。

✨ ちなみに「世界の快適な気候が続く地域」
ご参考までに、冒頭に書いた一年中快適な気温の土地を紹介します。
以下の地域では、一年を通して20°C〜25°C(あるいはそれに非常に近い範囲)の非常に快適な「常春」の気候が存在します。

主に赤道近くの高地や、大西洋・太平洋の海洋性気候の場所に多く見られ、具体的にはこんな場所が挙げられます。
- キト(エクアドル): 赤道直下に位置しますが、標高が約2,850mと高いため、一年を通して日中の最高気温が20°C前後の「永遠の春」と呼ばれる気候です。
- ボゴタ(コロンビア): こちらも標高約2,600mに位置する高地都市で、年間を通して穏やかな気温が保たれています。
- ナイロビ(ケニア): 赤道近辺の標高約1,700mの高原にあり、一年を通して非常に快適な気温範囲です。
- サンディエゴ(アメリカ・カリフォルニア州): 地中海性気候で、冬は暖かく夏は涼しい、一年を通して非常に安定した気候で知られています。
- カナリア諸島(スペイン): 大西洋に浮かぶ島々で、一年中温暖な気候が続き、ヨーロッパの避寒地として有名です。
これらの地域は、熱帯でありながら高い標高が気温を下げていたり、海洋からの涼しい風が夏を冷やしたりすることで、快適な気温範囲を維持しています。
✨ スモークハウスで特別なひとときを!

みなさん、マレーシアのキャメロンハイランドにある「スモークハウス」をご存じですか?まだ行ったことがない方のために、今回はその魅力を簡単に紹介しましょう!
キャメロンハイランドは、涼しい気候と美しい景色で知られる高原リゾート地。その中でも「スモークハウス」は、まるでイギリスの田舎町に迷い込んだかのような雰囲気を楽しめる素敵な場所なんです。
イギリス風の建物に囲まれた庭園は、色とりどりの花々が咲き誇り、写真好きにはたまらないスポット!

スモークハウスは宿泊施設としても利用できますが、泊まらなくてもレストランでの食事を楽しむことができます。特に人気なのが、クラシックなアフタヌーンティーセット。温かいスコーンにクロテッドクリームとジャムをたっぷりつけていただくと、もう幸せそのもの!
紅茶も地元の茶畑で収穫されたフレッシュなものが提供されるので、香り高くて心がホッコリします。
また、ディナータイムには本格的な西洋料理も楽しめます。ローストビーフやラムチョップなど、どれも絶品。キャンドルの灯りに包まれたロマンチックな雰囲気の中で味わう食事は、特別な思い出になること間違いなしです。

さらに、周辺には観光スポットもたくさん!苺農園や紅茶プランテーション、モスフォレストなど、自然を満喫できる場所がいっぱいです。
スモークハウスを拠点にして、キャメロンハイランドを思う存分楽しんでみてはいかがでしょうか?
🏷️ スモークハウスの暖炉のエピソード
キャメロンハイランドはその涼しい気候と豊かな自然が訪れる人々を魅了しています。
「スモークハウス(The Smokehouse)」の名前の由来と、暖炉がある部屋について詳しくご紹介します。
🌤️スモークハウスの名前の由来

スモークハウスという名前は、イギリスの伝統的な田舎家を連想させるものです。英国では「スモークハウス」という言葉が、かつて燻製(スモーク)食品を保存するために使用されていた建物を指していました。
しかし、キャメロンハイランドのスモークハウスの場合、この名前は単に燻製食品に由来するわけではなく、その建物が持つ英国風の雰囲気やデザインにちなんで付けられたものです。
この宿泊施設は1937年に建設され、英国植民地時代の影響を色濃く受けています。石造りの外観、花々が咲き誇る庭園、そしてアンティーク調のインテリアなど、すべてが英国の田舎町にある家を思わせるデザインとなっています。
そのため、「スモークハウス」という名前は、この施設の伝統的でノスタルジックな雰囲気を象徴するものとして選ばれたと言う人もいます。
🌟 暖炉がある部屋の魅力

スモークハウスの特徴的な要素の一つとして挙げられるのが、暖炉が設置された部屋です。宿泊するならどなたでも入れます。(写真左)
キャメロンハイランドは年間を通じて涼しい気候が特徴であり、特に夜間は冷え込むことがあります。そのため、暖炉は単なる装飾ではなく、実際に暖を取るためにも利用されます。
暖炉のある部屋は、英国風のクラシックな家具や装飾品で彩られており、まるで時間を遡って19世紀の英国にいるかのような感覚を味わうことができます。
薪が燃える音や炎の揺らめきは、心地よいリラックスした空間を演出し、訪れる人々に安らぎを与えてくれます。また、暖炉周辺には快適なソファやアームチェアが配置されており、読書や静かなひとときを楽しむのに最適です。
さらに、暖炉のある部屋はロマンチックな雰囲気を醸し出しており、カップルや新婚旅行で訪れるゲストにも人気があります。特別なひとときを過ごしたい方には、このような趣深い空間がぴったりです。

キャメロンハイランド・ふたつのエピソード
キャメロンハイランドに関する興味深いエピソードで、先ほど触れた話があります。両者は別々のものではありません。列車の車両のようにしっかりつながっています。
かつて日本国内でも話題になりましたから、もしかしてご存じかもしれません。
キャメロンハイランドで起きた「アメリカ人失踪事件」として最も有名で、現在もなお世界的な謎とされているのは、1967年のジム・トンプソン失踪事件です。

彼が失踪したキャメロンハイランドは旧英国領の雰囲気が色濃い高原別荘地でした。
ジム・トンプソンが滞在していたのも英国風の別荘(ムーンライト・バンガローまたはムーンライトコテージ=左の挿絵)であったことから、英国に関連するミステリーとして記憶されていることが多い事案です。(筆者も英国人だと勘違いしていました)
1. 事件の概要
- 発生日: 1967年3月26日(イースターの日曜日)
- 場所: マレーシア・パハン州 キャメロンハイランド
- 行方不明者: ジム・トンプソン(当時61歳)
- 人物像: タイのシルク産業を再興させた「タイのシルク王」として知られる実業家。元アメリカ戦略事務局(OSS、現在のCIAの前身)の情報将校という経歴も持っていました。
2. 当日の経緯
トンプソンは友人ら数名と休暇を過ごすため、キャメロンハイランドにある前述の「ムーンライト・バンガロー(Moonlight Bungalow)」に滞在していました。
- 午後の散歩: 午後3時頃、「少し散歩してくる」と言い残して一人で別荘を出ました。
- 失踪: それきり彼は戻りませんでした。彼は重度の糖尿病を患っており、常用していた薬やタバコ、コートなども部屋に置いたまま。友達との話も続きをこれから話そうとして、「続きは後から」と言い残しています。どの角度から見ても、計画的な失踪とは思えない状況でした。
3. 大規模な捜索

数時間後から初動捜査が行われています。
結果的にマレーシア軍、警察、現地のオラン・アスリ(先住民族)、さらには霊媒師まで加わり、延べ数百人体制で11日間に及ぶジャングルの大捜索が行われました。
しかし、遺体はおろか、靴一足、布きれ一枚すら見つからず、「東南アジア史上最大の捜索」と言われながらも手がかりゼロという結果に終わりました。
いずれにしろ、経過した時間から考えてもそれほど遠くに行くことは不可能でした。まして動きにくいマレーシアのジャングルの中、土地勘もない外国人の移動は限定的だったにもかかわらず、何一つ見つからなかったのです。
4. 主な説とミステリー
彼の経歴や時代の背景から、多くの陰謀論や説が飛び交いました。
- ジャングルでの遭難・事故: 足を滑らせて深い裂け目に落ちた、あるいは野生の虎に襲われたという説。しかし、遺留品が一切ないことから疑問視されています。
- 共産主義者による誘拐・暗殺: 当時はベトナム戦争の最中で、元スパイである彼が政治的な標的になったという説。
- CIAによる連れ去り: 再び諜報活動に関わっており、任務のために姿を消したという説。
- 自発的な失踪: 新しい生活を始めるために自ら姿をくらましたという説。
この実に不可解な事件はいまだに解決も、手がかりさえないまま時を過ごしています。

彼は惚れ込んだ「タイシルクの復興」に大金を投じました。やがて脚光を浴びてユル・ブリナーとデボラ・カーが出演し大ヒットしたミュージカル「王様と私」の衣装に採用されたのよ。結果、欧米諸国でシルクの人気が上がり、日本も恩恵を受けたかもね。

この事件は、日本の推理小説界の巨匠・松本清張にも大きな影響を与えました。彼はこの失踪事件をモデルにした長編推理小説『熱い絹』を執筆しており、日本でこの事件が広く知られるきっかけの一つとなりました。
そもそも松本清張といえば日本の推理小説界を代表する作家の一人です。彼の作品は社会的背景や人間心理を巧みに描き出すことで知られています。
特に『熱い絹』は、実際の事件をベースにした長編推理小説で、前述の「キャメロンハイランド・イギリス人外交官ジム・シンプソンの失踪事件」が題材でした。
『熱い絹』の概要
『熱い絹』は、キャメロンハイランド失踪事件をベースにしながらも、フィクションとして再構築されています。
物語は、日本人ビジネスマンが東南アジアで不可解な失踪を遂げるところから始まります。その背景には、国際的な陰謀や経済的利害関係が絡み合い、多層的なストーリーが展開されます。松本清張ならではの緻密なプロットと、登場人物たちの複雑な心理描写が読者を引き込みます。
クライマックスの舞台は三宝寺(SAN POH TEMPLE) 。大詰めのシーンはとてもハラハラドキドキです。
社会派推理小説としての意義

松本清張の作品は単なる娯楽小説にとどまらず、社会問題や国際情勢を鋭く描き出す点でも高く評価されています。『熱い絹』では、東南アジアにおける日本企業の進出や、戦後日本と海外諸国との関係性などが物語の背景として描かれています。
これにより、読者は単なる推理小説として楽しむだけでなく、当時の国際社会における日本の立ち位置についても考えさせられるでしょう。
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『熱い絹』は、ミステリーとしての面白さだけでなく、社会派小説としても非常に価値のある一冊です。
キャメロンハイランド失踪事件という実際の出来事を題材にしながらも、松本清張ならではの視点で再構築された物語は、今なお多くの読者を魅了しています。未解決事件への興味や、社会問題への洞察を深めたい方には、ぜひ一読をおすすめします。

キャメロンハイランド~昔のフォトギャラリー







