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写真館四季の花シリーズ

四季の花シリーズ~初秋の主役「秋明菊」

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花シリーズ
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シュウメイギク

季節が夏から秋と模様替えする頃になると咲き始める「秋明菊(シュウメイギク)」、きれいですよね。優雅で上品で「和」の趣があり、とても好きな花です。私の場合、姿かたちよりテクスチュアというか、肌理が好きなんですね。

ウッカリ「和」の趣と書きましたが、日本発祥の花、・・・ではなくどうも大陸から渡来したという話もあります。後で紹介しますよ、この辺の面白いところもね。
名前に「菊」とついていますが、キク科じゃなさそう。とにかく白やピンク色の柔らかな花びらが特徴で、秋の庭を華やかに彩ります。

それでは、シュウメイギクの世界へ “Let Go!”


わい性・細葉タイプ・庭植えにおすすめ 草花の苗/シュウメイギク(秋明菊):ももいろブーケ3-3.5号ポット、日当たりの良い場所を好みますが、乾燥には弱いので、なるべく湿り気味で西日が強く当たらない場所に植えてください。

シュウメイギクって興味が尽きない話題満載の花

さっきの話の続きですが、最近の調査で、シュウメイギクが名前に反してキク科ではなくキンポウゲ科の植物であること、そしてアネモネの仲間であることが明らかになりました。
いずれにせよ、この花は古くから日本の秋を彩る代表的な風物詩として愛されてきました。

✏️ シュウメイギクと呼ばれるのはなぜ?別名の百貨店!
ハイビスカス シュウメイギクの別名を並べてみました。こ~んなにあるんですね~!!

キブネギク(貴船菊)は古くから京都市北部の貴船地方で野生化し、広い範囲で咲いていた歴史にちなんでいます。
人や地方によってはシュウメイギク(八重咲き・濃いピンク)を指していまでも「キブネギク」と呼ぶ場合もあります。

中国では「あきぼたん」という優美な名でも呼ばれ、江戸時代の学者である「かいばらえきけん」もその名前を書物に書きのこしています。しめぎく(秋目菊)も古名の一つですね。

別な漢字を使う「シュウメイギク」は、「この世のものとは思えないほど美しい花」を意味し、シュウメイギクの持つ幽玄な美しさを表現しています。
この花は、このようにたくさんの別名を持っていますが、そこからわかることは、シュウメイギクが単なる園芸植物ではなく、各文化圏で特別な意味を持つ存在として認識されてきたことを示しています。

シュウメイギク~シーボルトが仲立ちして西洋へ―歴史的変遷の物語

冒頭で「面白い」と書きましたが、そのひとつがこの花の歩んできた歴史です。

シーボルト
Philipp Franz Balthasar von Siebold

19世紀末、この花を西洋に伝えたのはドイツ人医師であり、植物学者であったフィリップ・フランツ・フォン・シーボルトです。彼は日本滞在中にシュウメイギクを収集し、その標本とスケッチをヨーロッパに持ち帰りました。

シーボルトは日本で発見された経緯から、ジャパニーズ・アネモネという英名を(個人的命名で)紹介したのです。その結果、実際のシュウメイギクは中国原産なのに、日本で野生化していたことから日本にちなんだ名称で紹介し、やがて世界的に定着してしまったのです。

この英名には当時の習慣的な背景がありました。
当時の西洋における植物研究が、科学的分類の厳密さよりも、その植物が発見・紹介された地域の名称を冠することが多かったという時代背景を物語っています。

余談ですが、シーボルトさんは来日してまもなく、日本女性の楠本滝との間に娘のイネちゃんを授かったのよ。(1827年)
別の花だけれど「アジサイ」には、(Hydrangea otaksa)と命名しましたが、これは滝の名前の由来なんです。(後に有効ではなくなった)

ボーダー
日本庭園

19世紀のヨーロッパでは、日本庭園ブームとともにこの花が大変人気を博しました。特にイギリスではビクトリア朝時代のガーデンに不可欠な存在とされ、「日本から来たエキゾチックな花」として愛されたのです。

万博

さらに 19世紀最後の国際博覧会、そうです、第2回のオリンピックと同時開催された1900年のパリ万博では 、日本の植物が大もてでした。

そんなことが影響して、ついには逆輸入的にヨーロッパで品種改良された植物がたくさんあります。シュウメイギク(ほかにはカザグルマ=テッセンなど)もその代表的な花で、いまではさまざまな園芸品種が存在します。

🦋 花の基本情報

項目内容
和名シュウメイギク(秋明菊)
学名Anemone hupehensis var. japonica
科属キンポウゲ科 イチリンソウ属(近年はシュウメイギク属 Eriocapitella として独立させる説も)
英名Japanese anemone、Japanese thimbleweed
分類多年草(宿根草)、半常緑〜落葉性
草丈20〜150cm(品種による差が大きい)
花期8月下旬〜11月(最盛期は9〜10月)
花径5〜8cm程度
花色紅紫色、ピンク、白

宿根草 秋の花 日陰に強い宿根草「シュウメイギク プリマドンナ」10.5センチポット苗。一般的なシュウメイギクより小ぶりでまとまるかわいい花です。

🌱 日本へ渡来した歴史~日本最古の園芸書『花壇綱目』

古い書物

江戸時代初期(天和元年・1681年刊行)に水野元勝によって著された日本最古の園芸書『花壇綱目』(かだんこうもく)では、シュウメイギクについて次のように紹介されています。
(下の欄につづく)

シュウメイギクは、奈良時代から平安時代にかけて中国から日本に伝わったとされています。当初は薬草として利用されていたようですが、その後、美しい花姿が注目され、観賞用として広まりました。
特に寺院の庭園でよく栽培され、静寂な空間を彩る存在として親しまれています。

✏️ 日本最古の園芸書『花壇綱目』に記載されていること
ハイビスカス 表記名:「秋明菊」(しゅうめいぎく)  記述文言:「花紫色なり」
記述自体は大変簡潔で、「秋明菊」という漢字表記と「花の色は紫色である」という特徴が短く記されています。
現代では白い花や淡いピンク色の品種も広く普及していますが、江戸時代初期に親しまれていたシュウメイギクは、赤紫色(半八重咲きなど)の鮮やかな花が基本であったことがうかがえます。

「秋明菊」という名の最古の文献記録
シュウメイギクは中国原産の外来植物ですが、日本の文献において「秋明菊」という名称が確認できる最も古い記録の一つがこの『花壇綱目』です。
江戸初期の定着を示す証拠
『花壇綱目』に園芸植物として分類・掲載されていることから、17世紀後半にはすでに日本に渡来し、観賞用として栽培・定着していたことが分かります。
その後、貝原益軒の『大和本草』では中国名に由来する「秋牡丹(あきぼたん)」の名で紹介されるなど、江戸時代を通じて「貴船菊(きふねぎく)」などの様々な別名とともに愛好されていきました。


細葉で重ねが美しい八重咲わい性種 宿根草 草花の苗/シュウメイギク(秋明菊):初恋3号ポット

💐 ファンは日本だけ?

シュウメイギク

💐 花言葉と誕生花

花言葉

🗺️ 文化・歴史的背景

寺社

✏️ 日本の文化に溶け込んだいくつかの例
ハイビスカス 「貴船菊(きぶねぎく)」はシュウメイギクの古称で、京都・貴船周辺に自生していたことからその名がつき、江戸時代の俳人たちにも秋の風情を表す季語として親しまれていました。
以下に、江戸時代に詠まれた「貴船菊」を詠み込んだ俳句をいくつかご紹介します。
● 与謝蕪村(1716〜1784)
貴船菊 いけて旅宿の 主かな (きぶねぎく いけてはたごの あるじかな)
―― 秋の花で宿をもてなす、趣深い光景を描いています。京都ゆかりの蕪村らしい一句です。
● 小林一茶(1763〜1828)
貴船菊 ひともとの風 山おろし
―― 山里に咲く一株の貴船菊が、山おろしの風にそよぐ情景。一茶の自然観察の鋭さが感じられます。 ● 松尾芭蕉に関して
芭蕉の作品に「貴船菊」という語が直接登場する句は現存する代表作の中には見られませんが、彼の門人や後継の俳人たちが「貴船菊」を季語として扱った例は複数存在します。
● 季語としての「貴船菊」
「貴船菊」は秋の季語として、特に関西の風情や山里の初秋を象徴する言葉として用いられてきました。江戸時代後期になると、季題集にも載るようになり、文人たちの間でも好まれた植物です。

🦋 上手な室内装飾~花の特別な利用法

生け花

🌿 ガーデニングのコツ

ガーデニングのコツ

多年草で開花期は秋、高く伸びた花茎の上に大柄な花をつける。 秋明菊:シュウメイギク(八重咲き:ピンク) 4号 ポット苗 1鉢 キブネギク(貴船菊)

🗺️ シュウメイギクの総合的まとめ

シュウメイギク

その繊細で儚げな姿は、日本の文学や花言葉に深い影響を与え、秋という季節の風情や人生の無常を表現する上で重要な役割を果たしてきました。

一方で、その可憐な外見とは対照的な毒性の存在は、この花が持つ神秘的な魅力をさらに際立たせ、美しさの背後にある本質的な強さを象徴しています。

現代においては、多様な園芸品種の開発により、シュウメイギクは庭植えから鉢植えまで、幅広いライフスタイルに対応できる花へと進化しました。これは、伝統的な植物が現代のニーズに適応し、人々の生活に溶け込んでいく過程を示しています。

シュウメイギクは、その美しさ、歴史、文化的意義、そして科学的特性が複雑に絡み合った、まさに「エンサイクロペディア的」な花なんですね。

この花を深く知ることは、単なる植物の知識を得るに留まらず、歴史や文化、そして自然に対する新たな洞察を得る機会となるかもしれません。

それではまた次回、お楽しみに!

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